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なかひらときどきブログ

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カテゴリ:本( 3 )

ワインと外交

以前、食と建築について書きましたが、今回は食と政治についての本。
ワインと外交(西川恵著/新潮新書)は、普段私達が体験することのできない外交で催される「饗宴」について書かれているちょっとめずらしい本です。著者は、毎日新聞社の特派員を経て、外信部長、専門編集委員といういわばメディア側の政治のプロです。
「饗宴は、外交の重要な道具立てである。」という一文から始まります。饗宴には、さまざまな政治的メッセージが、明示的、黙示的に込められ、それは、政治そのものであり、時代的な背景も含めて、非常に深い読み込みが出来るものとしてあることがよくわかります。料理が何品出されて、ワインやシャンパンの格付け、デザートや食後の音楽の内容など恐いくらいの差があります。最近では、麻生総理が、世界の閣僚で始めてホワイトハウスに招待され、オバマとの共同会見だけで、昼食会が催されなかったことは、記憶に新しいですが、あれもそういうことなんでしょうか。039.gif
歴史的には、豪華絢爛な食卓から第2次大戦以降は、品数も減らされ儀礼は簡略化し、実質的に洗練、スリム化され、今では「ヘルシー」と「食の安全」という極めて日常的なキーワードになっていることがおもしろい。、(政治家もやはり健康第一、エコと食の安全言っとけば、大丈夫ですものね。狂牛病や鳥インフルエンザ言うてる時に鳥や牛出したら、ただの嫌がらせやし。025.gif
もうひとつは、「普遍化」と「個別化」という二つの方向性があるといいます。「普遍化」とはつまり、西側先進国のグローバリズムであり、中国やロシアが西側のワインをテーブルに乗せたり、フランス料理のエッセンスを盛り込んだりすることで、「個別化」とは、各国の独自性。2005年、ブッシュ大統領は、フィリピンからの移民の女性をホワイトハウスの料理長に抜擢し、料理界ではかなり革命的なことをやり、日本でもフランスワインではなく、日本のワインが出されるようになってきているとのことです。
その他、ちょっと怖いくらいの生々しい話があったり、何よりメニューを読んでいるだけでお腹がすいてくる感じがして楽しい本です。でも、当事者は、料理やワインをどこまで楽しめているのか?以外に読者の方が「饗宴」を楽しんでいたりして。011.gif
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by mnaoffice | 2009-03-30 01:38 | | Comments(0)

俺はまだ本気出してないだけ

手塚治虫のアトムを浦沢直樹が描く「プルートゥ」の最新刊が出たので本屋に行きました。映画「20世紀少年」第2章が公開されていることもあって、平積みにされた「プルートゥ」第7巻を手に取って、レジに持って行こうとしたとき妙な絵が目に入りました。気になって見てみると「俺はまだ本気出してないだけ」というタイトル。「俺にやさしい社会づくり」ナイス!おっさんコメディーという帯がついています。(ちょっと笑ってしまった)
坊主頭の小太りのおっさんが何とも言えない表情で立っている表紙とタイトル、帯を見て何か惹かれるものがあり、手に取ってしまいました。
主人公は大黒シズオ42歳、バツイチ。15年勤めた会社を辞め、自分探し(フリーター)をしているおっさんが突如漫画家を志望するところから話が始まります。漫画を描きながら、ハンバーガー屋でバイトし、仲間からは店長(あだ名)と呼ばれ、コンパで若い女の子に「ちゃんとがんばった方がいいと思いますよ」とアドバイスされ、高校生の娘にお金を借り、厳格に見える父親からは「家族も納得させられない奴がよ?読者を納得させられんのか?」などと言われる。
確かに笑えるコメディーなのですが、何とも言えない読後感。
それぞれがそれぞれの立場で正しいこと、どこかで聞いたことのあることを言っていますが、シリアスでもありません。
本気=可能性の奔放なおっさんシズオがどう見えるのか?
本当に本気出した方がいいのかどうか?
そもそも本気って?
自由で多様な価値観とまじめに生きねばという使命感が今の時代の中で揺れ動いていきます。機会があれば一度読んでみてください。基本笑えますから。041.gif027.gif

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by mnaoffice | 2009-03-14 16:29 | | Comments(0)

チャイルド44

イギリスの29歳の新人作家トム・ロブ・スミスの「チャイルド44」(上下巻翻訳:田口俊樹)を読みました。
スターリン政権下の旧ソ連を舞台にした本格ミステリーです。国家という大きな枠組みの中で展開される繊細なプロット、1人称から別の1人称へと巧みに移り変わる文章構成、後半の多少の強引さも気にならないほどのリアリズムと迫力でその世界に引き込まれていきます。正義とは、政治とはという問いと国家、家族、夫婦、個人の再生を描いた王道のミステリーです。作家の力を感じる1冊でした。(翻訳もいいです)
ちなみにこの本は、ソ連崩壊後約20年の現在のロシアにおいても発禁になっているそうです。
次回作「THE SECRET SPEECH」も期待大です。
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by mnaoffice | 2009-02-01 12:48 | | Comments(1)