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なかひらときどきブログ

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秋津野ガルデン

秋津野ガルデンという和歌山県田辺市にある市民農園、農業体験、宿泊、みかんの木オーナーなどが行える体験型の交流施設に行ってきました。
この施設は、農業法人株式会社(株主の半数以上が農業従事者)秋津野がこの場所にある豊かな農業(田畑、産物、人)を使って「都会にない農村文化社会の実現」を謳った地域づくりの拠点となっています。
基盤となっているのは「秋津野塾」という町内会、上秋津女性の会、老人会、公民館、消防団、小中学校の育友会・PTA、商工会など24にもなるこの地域にある全ての団体がタテヨコに統合された組織です。行政や個人といったものではない地域としての組織がきちんとその背景に存在することが大きな特色です。田辺市全体ではなく市内の小さな集落単位でさらにその中にあった小さなコミュニティが地域産業(文化)の上で組織化され、時には行政や民間企業を巻き込みながら地域づくりを進めて成功しています。
メイン施設は、古い小学校の木造校舎を軽く改修したもので、農家レストランでは、地元の野菜や米を地元のおばちゃんが調理し、それぞれの家から持ち寄った食器で素朴でおいしい料理が普通に食べられます。
ここでは、料理も含めていわゆるカッコイイデザインといったものは一切見当たりません。どこかムズムズしてしまう似非モダンやゆるキャラ、東京っぽいものを欲してしまったモノやコトなどが存在していない清々しさと遠くに見える山の稜線が重なり、生活の延長上にある気持ちの良い環境を作っています。
目的が観光地化でもなければ、地場産業や地域文化の復興などではなく、高齢化していく集落の「地域コミュニティをつくること」なのがすばらしいと思います。058.gif

秋津野ガルデン_a0113755_1644667.jpg
 左が木造校舎を軽く改修した研修棟、右奥が宿泊棟で手前が農家レストラン
by mnaoffice | 2010-03-26 16:07 | 建築
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