佐川美術館は、琵琶湖湖畔という立地から水盤に囲まれた静寂で気持ちの良い美術館です。
11時くらいに着いてまずは昨年亡くなった平山郁夫さんの追悼展「平和の祈り」を観ました。あまり興味のある画家ではなかったのですが、仏教伝来をテーマとし、何千キロにも及ぶ中央アジア、シルクロードを旅して描かれた数多くの作品をゆっくり巡った後に戦禍の跡のサラエボの子供達を描いた「平和の祈り-サラエボの戦跡-」を最後に見た時は少し涙しました。ご自身の広島での被爆体験もあって、生きた証としての作品に込められた「平和」というものへの強い希求と祈りは、どんな言葉よりも素直に胸に響きました。
その後、ミュージアムカフェでサンドイッチのランチ(オススメ!)を取った後、13時から予約をしていた樂吉左衛門館のお茶室の見学をしました。樂吉左衛門館は、水盤に浮かぶお茶室と水盤の地下に造られた展示室からなります。以前ある建築家がお茶室を観て「陶芸家にあんなもの作られたら・・・」と絶賛していましたが・・・展示室共々“案の定”でした。
最後に佐藤忠良の彫刻の美しさにドキドキし、ミュージアムショップで平山作品と佐藤作品の絵葉書を買って美術館をあとにしました。
琵琶湖大橋を渡って、対岸にある浮御堂を見学しました。初めて行きましたが、御堂と橋を支えているのがコンクリートだったのがちょっと残念。(まあしかたないのはわかるけど)
その後比叡山に登り、延暦寺へ。国宝である根本中堂などを見学しました。比叡山そのものが寺院という枠を超えて大きな信仰の環境としてある中において、根本中堂内陣の人と仏を分ける空間の圧倒的な強さは言葉を失います。根本中堂内陣から正面の急な階段を上がったところにある文殊楼を含めた断面を想像するだけで鳥肌もんです。